帰還困難区域で12年間眠ったままの状態になっていたピアノが復活しました。地元の子どもたちがデザインした福島県浪江町の津島小学校のピアノが、21日に披露され、ピアニストや子どもたちがメロディーを奏でました。

秋晴れの空の下、浪江町にピアノのメロディーが響き渡ります。21日、町の帰還困難区域にあった津島小学校に12年間眠っていたピアノが復活しました。

相双地区の公益社団法人が企画した帰還困難区域に残されたピアノの再生。いわき市の調律師・遠藤洋さんたちが、今年8月から修復し、なみえ創成小学校の子どもたちが町の未来に思いを馳せながらピアノにデザインしました。

こうして迎えた21日、会場には被災地の支援を続けるピアニストの西村由紀江さんが訪れ、クラシックメドレーや歌謡曲などを披露しました。

西村由紀江さん「浪江町の未来を明るく描いてくれたというのが、絵からも伝わってくる」

また、子どもたちも思い思いにメロディーを奏でていました。

演奏した小学生「(ピアノの)柄もかわいかったし、ピアノが弾けて楽しかった」
演奏した小学生「明るく楽しく表現できたからいいと思った」

そしてこの日最後に披露されたのは、津島小学校の校歌です。久しぶりに町に響いた懐かしい校歌。復活したピアノとともに、町の未来に思いを馳せました。

ピアノは今後、町にある「つしま活性化センター」に常設されるということです。