2023年10月18日に発生した台風16号(サンバ)。この後もトンキン湾で停滞し続ける見込みで、日本への影響はありません。これほど日本列島から離れていて、日本への影響が考えられない熱帯低気圧が、なぜ『台風』として名前を付けられ、気象庁から進路図などの情報が発表されるのでしょうか。
そもそも『台風』とは何だ?サイクロン、ハリケーンとの違いは
台風16号は、ベトナムと中国の間のトンキン湾に位置し、ゆっくりとした速さで北へ進んでいます。日本への影響はありません。
そもそも台風とは、東経180度より西の北西太平洋および南シナ海に存在し、最大風速が約17メートル以上になった熱帯低気圧のことを指します。台風以外にもハリケーンやサイクロンといった熱帯低気圧もありますが、これらにも定義があります。

ハリケーンは、北大西洋、カリブ海、メキシコ湾および西経180度より東の北東太平洋に存在し、最大風速が約33メートル以上になった熱帯低気圧を指します。そしてサイクロンは、インド洋や南太平洋に存在する熱帯低気圧のうち、最大風速が17メートル以上のものを指します。
このように台風、ハリケーン、サイクロンは存在する“場所”や“最大風速”によって定義が決まっていますが、基準となる経線を越えると同じ熱帯低気圧でも呼び方が変わります。2023年の8月がまさにその例でした。