(2)原告は新潟水俣病なのか

もう一つの争点である「原告が新潟水俣病かどうか」という点についてです。
ポイントは、原告がメチル水銀で汚染された魚を食べていたかどうかと、そのことと原告が訴えている「症状」に因果関係があるか、です。

魚を食べていたかどうかについて、原告側は「川魚は貴重なタンパク源で、日常的に魚を食べていた」と主張しています。
一方で、国側は「汚染された魚を食べていたことがわかる“毛髪の水銀値”といった客観的なデータがない」と反論しているのです。

また症状について、原告側は「感覚障害などは水俣病の特徴的な症状」としている一方で、国側は「自覚症状で客観性に乏しく、別の神経疾患との区別ができない」という専門家の証言などをもとに「水俣病ではなく、通常の疾患」と主張しています。

19日は原告・被告の最終弁論のほか、皆川栄一団長の最終陳述も行われます。
判決は来年、2024年春に言い渡される予定です。