新潟水俣病の症状を訴える人たちが国を相手に起こした裁判。その第5次訴訟が19日に結審を迎えます。今回の裁判の争点は、(1)国に責任があるか、(2)原告は新潟水俣病なのか、この2点です。詳しく見ていきます。
(1)国に責任があるか
まず、国の責任についてです。
今回の裁判では熊本での水俣病の発生を受け、国が水銀を使っている全国の6つの工場で排水調査をしていたことが明らかになりました。全ての排水からチッソ水俣工場と同程度か、それを上回る濃度の水銀が検出されていましたが、国は6つの工場の名前を明らかにしていません。

この6つの工場のなかに、昭和電工鹿瀬工場は含まれているかについて、原告側は含まれていると考えています。原告側は、国の調査の結果は新潟水俣病が公式に確認される4年前の1961年に出ていたことから「国は、昭和電工からもメチル水銀が排水されている可能性を予見できた」として国に責任があると主張しています。

一方、国は「新潟水俣病の公式確認前に水俣病が発生する可能性を認識していたことはなく、責任はない」と反論しています。