岡山県瀬戸内市にある国のハンセン病療養所・長島愛生園で、入所者と職員の交流を目的とした「月見の会」が先週開かれました。

サプライズゲストとして、岡山県倉敷市出身のシンガーソングライター・中西圭三さんも参加しました。

(炭坑節「♪月が~出た出た~」)

入所者の新美さんが、炭坑節を披露します。

「月見の会」は、療養で部屋に閉じこもりがちになる人に外出の機会をと、昭和の時代から企画されてきたレクリエーションのひとつ。入所者と職員の大切な交流の場になっています。

高齢の入所者を見送ることが増えた、ハンセン病療養所。平均で約65年という長きにわたる隔離生活を送ってきた人たちにとって、心が休まるひとときです。

この日、サプライズゲストとして壇上にあがったのは、倉敷市出身のシンガーソングライター・中西圭三さんです。

「こんにちは。中西圭三です」

職員からの要望を受けて、チャリティーで訪問しました。

(「♪ぼよよん行進曲」)

子どもたちにも親しまれる、中西さんの楽曲「ぼよよん行進曲」をはじめ数々のヒット曲にあわせて、全員で体を動かしました。

(中西圭三さん)「今回、ぼよよん行進曲をパフォーマンスするんですと職員の方からお声がけいただいて、『見に来ていただけませんか?』みたいなことだったので、喜んで来させていただきました」

「来ることになって、僕も改めて勉強させてもらいましたけど、長い歴史があって。小さなころから親元から引き離されて、という子どもたちの文集を読んだんですけど、なかなか切実で身につまされる、そういう思いでした」

中西さんがハンセン病療養所を訪れるのは、今回が初めてだといいます。強制隔離政策の歴史を伝える資料を見学したあと、納骨堂に献花しました。

(中西圭三さん)
「何ができるだろうかなと、きょうも拝見しながら、自分にできることを見つけていけたらいいなと思っています」