現地から中継 ガザ北部110万人退避は可能?
小川キャスター:
イスラエル軍はこれまで2度に渡って北部のガザ住民に南部に退避するよう通告していますけれども、この退避というのは進んでいるのでしょうか?

須賀川記者:
私達は実際に現場に入ることはできていません。たった今大きな音がなりました。ちょうど黒い筋が空に向かって伸びているんですが、あれはおそらくハマスもしくは、その他武装勢力が放ったロケット弾の軌跡ですね。うっすらと見えてますよね。

さらに、右側に行くと白く煙あがっているのがわかりますか?もう少し薄くなってしまったんですけれども、先ほど、ドンと大きな音がしました。あれはおそらく榴弾砲といって、空爆ではなくて、遠距離のところからガザに打ち込まれている砲弾なんですね。大体、半径30~40mにいる人たちに殺傷能力があると言われています。
こういった攻撃が続いている中で、ガザの北部に住んでる人たちが、簡単に退避できるのかということなんですよね。実際、時間を過ぎてもまだイスラエル側は地上侵攻を始めていません。なので、まだ退避する余裕は残されているんですけれども、その中でもやっぱり攻撃はまだ続いているわけなんです。
さらに、彼らが逃げた先の南部にラファという検問所があるんですけれども、今、抜けることができないんですよね。こちらの地元紙によりますと、ネタニヤフ首相は、双方の攻撃が終わっていない、停戦状態に持ち込めていないので、ラファの検問所、双方から人道支援物資など人の出入りはまだできないんだというふうに言っています。
小川キャスター:
そうしますと、思うように物資なども届いていないということなんでしょうか。

須賀川記者:
そうですね、物資は届いていません。それがどういうことを意味するかというと、当然、医療物資ももちろん足りなくなっていますし、何よりもライフラインが今ほぼ断絶状態なんですね。
水に関してはイスラエル側が供給を開始したというような話が出ていますけれども、実は水が供給されたとしても、ポンプを動かせなければ、住民に水をちゃんと行き渡らせることができないんですよね。なので、水と電気は一体になって供給されて、支援されて初めて意味があるものなので、やはりここは電気と水、あと医療支援をしっかりとまずガザの中に入れる。
ハマスとの戦闘とは別に、そこに住んでいる市民に対して、しっかりとした支援を今後できるかどうか、イスラエル側とハマス側、そしてその間に入ってるアメリカ、エジプトそういった国々がちゃんと連携を取れるかというのは、今後、大きな焦点になってくるのではと思います。