ロシアのプーチン大統領はイスラエル・パレスチナ情勢をめぐり、イスラエルがパレスチナ自治区ガザへの地上侵攻に踏み切れば「深刻な結果になる」と述べ、懸念を示しました。

ロシア プーチン大統領
「市街地で重火器を使用すれば、双方にとって深刻な結果になるだろう」

プーチン大統領は13日、中央アジアのキルギスで旧ソ連諸国でつくるCIS=独立国家共同体の首脳会議に出席し、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘をめぐり、イスラエルの自衛権を認めたうえでガザへの地上侵攻に踏み切れば、民間人の被害拡大につながると懸念を示しました。

プーチン氏は「双方が経験している大きな悲劇はアメリカの中東政策の失敗が原因だ」と述べ、改めてアメリカを批判しました。また、プーチン氏は会議終了後ロシアメディアに対し、「ウクライナから中東に武器が流出しているのは間違いない」と具体的な根拠を示すことなく一方的に主張しました。

一方、首脳会議の中でプーチン氏は、「欧米による前例のない制裁圧力の中でCISの経済協力は一貫して拡大している」と強調し、旧ソ連諸国の結束をアピールしました。そのうえで、アゼルバイジャンが隣国アルメニアとの係争地ナゴルノカラバフで軍事行動を起こし、アルメニア側が事実上降伏したことをめぐり両国の和平を仲介する用意があると表明しました。

ただ、今回の会議を欠席したアルメニア首相は欧米に接近する姿勢も示していて、ロシア離れが指摘されています。