ロシア政府系テレビのニュース番組で戦争反対を訴え、その後、フランスに亡命した元職員が12日に体調不良を訴え、警察が捜査を始めました。

検察当局によりますと、ロシア政府系テレビの元職員のマリーナ・オフシャンニコワさんは12日午後、亡命先のパリの自宅アパートを出る際に気分が悪くなり、毒が盛られたことを疑って助けを求めたということで、警察が捜査を始めました。

フランス紙パリジャンは関係筋の話として、オフシャンニコワさんは手すりかドアノブを触ったあとにめまいがして転倒したと報じています。

支援している「国境なき記者団」のドロワール事務局長は、オフシャンニコワさんの容態について「快方に向かっている」とする一方、「毒を盛られたと自ら主張したわけではない」と捜査当局の発表とは食い違いもあります。

オフシャンニコワさんは去年3月、ニュース番組の生放送中に「戦争反対」のメッセージを掲げて抗議。4か月後には、ウクライナ侵攻をめぐり、クレムリンの近くで「プーチンは殺人者だ」などと訴えたことで起訴され、モスクワの裁判所は今月4日、懲役8年6か月の判決を出しています。