医療に関心のある中学生を対象に、医療の道を目指すきっかけにしてもらおうと、高知市の病院で体験会が開かれました。

体験会は高知赤十字病院とテレビ高知が開き、高知県内の中学生11人が参加しました。生徒たちは白衣に聴診器と準備バッチリです。まずは検査体験です。聴診器や超音波診断装置=エコーの使い方を学んだあと、実際に身体に当てて心臓の音を聴いたり、内臓の位置を確認したり、先生にコツを教わりながら検査を進めていました。

(参加者)
「いろいろ見えないところや心臓の向き、臓器がどこにあるとか線など細かく見られて普段見られないので良かった。将来人を助ける仕事消防士や救命士になれたらいいな」

次は手術着に着替え、手術室での体験です。手術中に使用する器具を学んだほか、血管や神経など肉眼では見ることが難しい部位の縫合(ほうごう)を顕微鏡を使って体験しました。

そして、模型を使って内視鏡で体内を見ながら行う手術の様子も見学しました。近年では人工知能=AIを使ってがんを発見する機器も開発されつつあり、医師の診断を補完する医療技術も進歩してきているといいます。

「AIに人間が勝るのは考える力。AIって4万件の中でその病気に類似したものを引っ張ってくる。人間はがんの成り立ちとかを考える。考える力はAIにはない」

薬剤部の体験では実際に薬の調合を体験した生徒たち。それぞれが混ぜて作った塗り薬だけでなく、粉薬を作る作業も体験し、薬を作ることの大変さを実感したようです。

(参加者)
「(Q.どんなところがすごいと思った?)薬を自分で作ったりするところ。作ってくれた人のことを考えながら使っていきたい」
「命の大切さについて学んだりしたことがあったので私も医療関係についてみたいと思って医療に興味を持った。一番印象に残っているのは内視鏡の体験。普段できないカメラの操作だったり難しかったけど優しく指導してくれたので安心してできた。将来の夢は看護師になること。このイベントを体験してなりたいものが増えた。もっといろんなことを調べていきたい。(Q.興味を持った職種は?)内視鏡のことをしている人たちの仕事に興味を持った」

(高知赤十字病院 消化器内科 内多訓久 部長)
「何がきっかけでどういう道を目指すかは分からない。先ほど話したことをあの時お医者さんがこんなこと言ってたなと少しでも思い出に刻んでもらえて、将来もし医療を目指すことがあればきっかけになればいいかなと思う」

検査の仕方から薬の作り方、手術室の中までくまなく学ぶことができた生徒たち。今後、医療の道を目指すための貴重な体験となったようです。