ちょうどそのころ、海岸付近にいた北村さんも異常を察知し、持っていたSUP用のボードを漕いで漂流していた11歳の長女と父親のもとに駆けつけます。
※SUP(サップ)=スタンドアップパドルボード。ボードに乗り、オールを漕いで進むウォーターアクティビティー。

北村直樹さん(42)
「慌てて行っても(相手も)慌てるので落ち着かせてあげたいなと。ゆっくり行って『大丈夫だよ』っていう声掛けをした」
北村さんはSUP用のボードに載せ、粕川さんと協力して長女を助けた後、消防隊員が救助に来るまで父親をSUPのボードに掴ませて岸まで誘導したということです。病院に搬送された3人に大きなけがはありませんでした。

粕川秀行さん(42)
「海のことをいろいろ毎日見てて、海の状況だったりとか、そういうのをちゃんと判断できたので、本当に救出できてよかったなっていう気持ちです。明日は我が身じゃないですけど、自分もやっぱり気をつけなきゃいけないなというのは思いました」
北村直樹さん(42)
「本当に自分ができることをしたというだけで、何かすごいことしたという気持ちはない。流されちゃった子どもたちや家族には海を嫌いにならないで欲しいなと思っています」
上越海上保安署の佐藤正浩署長は2人の行動について「すばらしく的確な判断で救助していただいたことを感謝する」と話しました。
今後は天候が急変しやすい季節になることから、上越海上保安署は海に出かける際は十分に注意することや、事故が起きたら速やかに118番に通報することを呼びかけています。