75歳以上の高齢者が運転免許を更新するときに受けなければならない「認知機能検査」
記憶力や判断力が運転できるレベルに達しているか確認するものですが、石川県運転免許センターでは今月からその検査にタブレット端末が導入されています。
認知機能検査は、75歳以上の高齢ドライバーの免許更新に必要な検査で、運転技能の評価を受けたり、座学を受講したりする「高齢者実習」と合わせて受ける必要があります。
従来の認知機能検査では、目の前で検査員が複数の「物の名前」を読み上げていき、受験者は覚えた分だけ紙に記入したり、時間の把握が正確か記入したりすることで、記憶力・判断力を確認していました。
ただ、今月からは問題の読み上げから回答の入力まで、一連の流れを全てタブレット端末が担うことになりました。
タブレット端末導入で変わることは?
新たな検査方法でも問題内容は同じ。ただ、ヘッドフォンから流れる問題を聞いて、回答をタブレットに入力します。
回答した内容はリアルタイムで自動採点され、合格水準に達した人はすぐに終了となるため、これまでのように全体の進行や検査員の採点を待つ必要がなくなり、受験時間は早ければこれまでの半分の30分ほどで終えることができます。
「勝手が違う…」不安の声漏れ聞こえる
受験者の負担を軽くするため、取り入れられたタブレットですが、検査を受ける当の高齢者からは使い慣れないという声も聞かれます。
検査を受けに来た人(81)は…
「10月からタブレットになると聞いてエーっ!て。今までのやつはまだ楽だったけど勝手が違う…」
検査を受けに来た人(83)は…
「ちょっと慣れていないからやりにくかった、これまでと違うから。全く触らないからどんなふうになるか心配して来たけど…」
石川県警によりますと、去年、県内で受験した2万8110人のうち、認知症のおそれがあると判断された人は536人、そこから実際に認知症と医師から診断されたのは34人でした。
使い慣れていない不便さを感じる人もいますが、公道で運転できるか判断するためには欠かせない検査です。

検査を受けに来た人(81)は…
「(受けてみると)やっぱり自分ではだいぶ、前からみると進んでいるかなって。認知症が」
石川県警察本部 運転免許課中村智子運転教育補佐
「認知機能検査はこれからも安心して安全に運転してもらうための検査です。今回タブレットを導入しましたが、操作は難しくないので、心配なさらずに受けに来てもらえたいです」
今回のタブレット導入によっては受験時間の短縮だけでなく、年間の受け入れ可能人数もおよそ1.4倍になり、効率が上がります。その他にも、これまで検査員が行っていた採点がなくなるなど、作業負担の軽減にもつながるということです。
ただ、高齢者は年々増えているので、こうしたデジタル化を推進する取り組みは今後も進みそうですが、丁寧な周知も欠かせません。














