「やるべきことをできる限りやったのか、やろうとしたのか」

そして両親は2019年、郁香さんに重度な障害があったにもかかわらず食事の見守りを怠ったことや、救命処置に問題点があったとして大分県と当時の教職員に損害賠償を求める訴えを大分地裁に起こしました。

(香織さん)「インシデントが起こった際の報告のシステムが整っていなかったのではないか、完璧な対応を求めているのではないです。やるべきことをできる限りやったのか、やろうとしたのか」

林 郁香さん

今年6月、当時の教職員4人は当時の過失を認め、和解が成立しました。一方、大分県に対しては、これまでの姿勢について「不信感がぬぐえない」として両親は和解を受け入れませんでした。

「事故を忘れてほしくないというのが一番強い思い」

(香織さん)「大分県の事故後の対応、訴訟態度は非常に悪く、私たちは深く傷つけられました。もう信じることも、許すこともできないというのが、今の私たちの気持ちです」

娘を失った悲しみの中、およそ4年にわたり法廷の場で闘い続けてきた郁香さんの両親。判決は2024年3月1日に言い渡される予定です。

(郁香さんの母・林香織さん)「忘れてほしくないというのが一番強い思い。元気に送り出した我が子が亡くなって帰ってくるという悲しい事故が二度と起こらないことを願っています」