今年競泳日本代表に初選出されたニューヒロイン・三井愛梨(法政大学1年)。池江璃花子(23、横浜ゴム)に憧れる19歳だ。
4月の代表選考会の200mバタフライは自己ベストを1秒以上更新するタイムで優勝し、世界選手権、アジア大会の代表権を勝ち取った。8月の世界選手権では初出場ながら5位入賞。アジア大会中国 杭州(23日~10月8日)ではメダル獲得を目指している。
Q.(法政大学で)学部は国際文化学部。普段はどんな勉強をされてるんですか?
三井:
何て言うんだろう。必修の科目は・・・国際の文化(笑)。必須のプログラムで留学するプログラムがあって、それにすごい惹かれたので選びました。
まだ全然コミュニケーションとか、海外の選手と取れないので。やっぱり招集所とかでも一緒に泳ぐ選手とコミュニケーション取れたらすごい楽しいだろうなと思いますし、何かそういうコミュニケーションをとることで、もっと泳ぎのこととか、競技にプラスになってくるかなと思います。(英語を習ってる?)英語を選択してます。
憧れは池江璃花子—
Q.競泳を始めたきっかけは?
三井:スイミングスクールで泳いでいて「選手コースに上がるのはどう?」と誘っていただく機会があって、それがきっかけで始めました。小学3年生か4年生くらいの時に初めてジュニアオリンピックに出て全国大会を経験して、もっと速くなりたいというか、もっと頑張りたいと思うようになりました。
Q.憧れていた選手、こんな選手になりたいという選手はいましたか。
三井:
小学6年生の時がちょうどリオ五輪(2016年)だったんですけど、その時に池江璃花子選手が日本新記録を次々に出していた時期だったので、池江選手にはすごく憧れていました。小学校の卒業文集にも池江選手の名前を書いたくらい憧れです。
Q.小学校の卒業文集に池江さんの名前を書いていたとおっしゃていたんですけど、具体的にどんなことを書いた?
三井:
(文集を読んで)「すごいな、あんなふうに速くなりたいと思いました。また、池江選手は他でも良い記録を出して、リオ五輪でも予選、準決勝、決勝で立て続けに日本新記録を出して、すごすぎて興奮してしまいました。」らしいです(笑)小学生ぐらいのときはまだ200mバタフライをやってなくて、100mの方で頑張っていて。同じ種目っていうこともあって、すごい憧れを持ってました。
Q.池江選手とヨーロッパグランプリとかで一緒だったと思うんですけど、話したりしましたか?
三井:
はい、結構話しかけていただいたりしたんですけど、何話したかな・・・(笑)「100mはどうしたら速くなりますか?」とか、「どんな感じで泳いでますか?」みたいな感じのことは聞いたと思います。「やっぱり効率の良い泳ぎを意識するといいよ」っていうふうに言っていただいたり、100mの泳ぎ方ですけど「前半は腕を中心的にというか、後半キックを入れる感じ」みたいな感じで教えていただきました。
Q.三井さんが小学生の時に池江さんに憧れていたように、今度は三井さんが憧れる存在になる側として、子供たちにどんな姿を見せたいですか?
三井:
私が小学校のときに池江選手に憧れていたように、私もやっぱりレースとか見て「かっこいいな」って、「私もこんなふうになりたいな」って思ってもらえるような・・・これからもっと結果を出して、よりそういうふうに思ってもらえるような選手になりたいと思います。
世界水泳を終えて—
Q.世界水泳で5位という結果は改めてどうですか?
三井:
初めての世界水泳で、最低限の目標として決勝に残るというのを挙げていたので、5位はちょっと悔しい順位ではあるんですけど。決勝に出るだけじゃなくて(入賞したことは)素直に喜ぶじゃないですけど、まぁまぁかなという感じです。でもやっぱり決勝の舞台でベストタイムを出せなかったことと、ベストタイムがもし出ていたら、もうちょっと順位も上の方へ行けていたかなと思うので、そこが悔しいなと思います。
Q.逆にここは通用するな、自分の強みを感じられた、っていうのもありますか?
三井:
後半の部分が自分の強みだと思っていて、でもやっぱり後半の部分も上には上がいるなという感じではあったんですけど・・・。隣の選手とまぁまぁ差があった中で最後は同着でちゃんと追いつき切れたというか、そういう部分は自分の強みかなというふうに思いました。
Q.これからもっと良い順位やメダルを目指していく中での課題は。
三井:
前からずっと課題なんですけど・・・。今回決勝の舞台で、自分的には前半を結構攻めたタイムだったんですけど、やっぱりみんなスピードもあって決勝の中だと全然ダントツのビリで。前半のスピードの部分が足りないなっていうのと、前半スピードを出した中で、最後の50mでちょっとばててしまったのが自分の新たな課題かなというふうに思います。
自身の将来、そしてアジア大会へ—
Q.今後どんな選手になりたい、競泳界にとってどんな存在になりたいという目標はありますか。
三井:
途切れずずっと代表に入り続けて、「ずっと常連で日本代表にいるよね」、「代表の選手だよね」と見てもらえるような選手になりたいなと思います。
Q.アジア大会の目標は?
三井:
アジア大会は世界水泳よりも出場する国が少なくて、世界選手権では出場していた選手もいないとかあると思うんですけど、気を抜かずアジアではメダルを目指して頑張りたいなと思います。
Q.何メダルですか?
三井:・・・銀(笑)・・・金(笑)?
Q.先ほどお話があった池江選手は前回大会(18年ジャカルタ)で6冠を達成。今度は三井選手が出場する立場となった。
三井:
自分がその大会に出場するという実感もまだ全然ないんですけど、その6冠に負けないくらいというか、それくらいの活躍をできればいいなと思っています。
Q.アジア大会の後はパリ五輪ですが・・・
三井:
今年世界選手権を経験して、自分の立ち位置も見えてきたので、やっぱり夢より目標になってるかなって思います。
Q.具体的な目標は?
三井:
今回、世界水泳を経験して、やっぱりメダルを獲れないと楽しくないなって思いましたし、メダルを獲ってる選手がすごいキラキラして見えたので、メダルを目指していければいいなと思ってます。
■三井愛梨(みつい・あいり)
2004年6月12日生まれ、身長163cm。神奈川県横浜市出身、法政大学1年。
5歳で水泳を習い始め、小学2年生から本格的に競技の道へ。4月の代表選考会では200mバタフライで優勝。初めての日本代表入りを果たした。9月23日に開幕するアジア大会に出場。
【アジア大会公式】
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