9月8日の記録的な豪雨から、22日で2週間です。被災地では、住宅だけでなく車が水に浸かった人も数多くいます。不便な生活を強いられている人たちを支援する取り組みが、22日から始まりました。

阿部正輝記者「大雨から2週間。着々と片付けが進む一方、こちらの地域では、道路脇に泥が残るなど災害の爪痕を感じます」

倒れたブロック塀とバス停の看板。被害が集中したいわき市の中でも、いまだに爪あとが残る内郷白水町です。この地区では、新川が氾濫して多くの家が床上まで水に浸かりました。氾濫の直後は、濁流に流された車が何台も積み重なっていました。

住民の女性「測ってもらったら床上から146センチくらい(浸水した)」

こちらの女性が母親と2人で暮らす住宅は、1階にあった家具や服がほぼ全て流されたといいます。

住民の女性「大変ショックだった。キッチンも使えなくなってしまったので、食事が変わってしまい大変」

被害は住宅だけではありません。親子で1台ずつ持っていた車も流され、今は1台の代車で生活しています。

住民の女性「今は仕事を休んでいるが、仕事に行くようになればもう1台必要。そういうところは不便」

今回の災害で自家用車を失った人は多く、中には代わりの車が手配できない人もいます。そうした人たちを支援する取り組みが、22日から始まりました。

日本カーシェアリング協会・吉澤武彦事務局長「なんとか車を届けて、少しでもほっとしてもらえるような、そういう気持ちを持ってもらえたらと思う」

いわき市平に日本カーシェアリング協会が開設した、無償で借りられる車の貸し出し所。震災をきっかけに石巻で始まり、全国の災害現場に広がるこの取り組みは、今回の豪雨災害で被災した人が1か月ごとの更新で車を長期間借りることができます。

すでに30件近い申し込みがあり、さっそく車を借りに来た女性は。

レンタカーの利用者「いわき市では車がないと生活できない。本当に助かる」

日本カーシェアリング協会・吉澤武彦事務局長「車を失うと、仕事に行くにも買い物にも通院にも本当に苦労する。気兼ねなく相談していただけたら」

運営する協会では、申し込み件数に応じて車を55台まで増やす方針です。

貸し出される車は、協会の活動に賛同して全国から寄付された中古車です。貸し出しの申し込みは、日本カーシェアリング協会のホームページや電話(050-5482-3677 午前9時~午後4時・日祝除く)で受け付けています。

乗用車のほか、災害ごみの運搬にも使える軽トラックもあり、こちらはいわき市が窓口になって貸し出しています。