軍事支援の一環で来週、ウクライナにアメリカ軍の主力戦車「エイブラムス」が引き渡されます。「最強」との異名を持つ戦車の訓練を取材しました。
アメリカ南東部ジョージア州に位置する、陸軍の駐屯地「フォート・ムーア」。そこに、ウクライナが待ち望んでいた戦車がありました。
記者
「アメリカ軍の主力戦車、エイブラムスが姿を見せました。訓練が行われています」
「世界最強の戦車」の異名を持つエイブラムス。アメリカ軍の主力戦車で、湾岸戦争以降、数々の戦場に投入されてきました。
記者
「発射のたびに強い衝撃が伝わってきます」
優れた攻撃能力を持ち、最高時速はおよそ68キロと高い機動力も兼ね備えるエイブラムス。ロシアへの反転攻勢を続けるウクライナに31両が供与されることになっています。
アメリカ陸軍 ワイルズ一等軍曹
「エイブラムスはその生存能力、機動性、火力のバランスから世界最強の戦車と呼ばれています。戦場での脅威を圧倒する力があります」
ウクライナ兵は春からエイブラムスの操縦訓練を続けていて、引き渡され次第、実戦に投入される見通しです。
ただ、「最強」とされるエイブラムスにも弱点があります。機動力を高めるためにガスタービンエンジンが搭載されていて、特殊な燃料を頻繁に給油しなければならないなど、運用に難しい面があるのです。
ハドソン研究所 ブライアン・クラーク氏
「エイブラムスは一般的な戦車に比べて故障の頻度が高く、メンテナンスも求められる」
また、ロシアは地雷原や塹壕などによる防衛線を幾重にも設け、防御を固めているため、専門家は、エイブラムスが投入されてもウクライナの反転攻勢のスピードがすぐに速まることはないと分析しています。
ハドソン研究所 ブライアン・クラーク氏
「ロシア軍を攻撃するためにより射程の長い武器や、F16戦闘機などが必要になるでしょう。それまでは、反転攻勢のスピードは遅いままだと思います」
ウクライナは射程およそ300キロの地対地ミサイル「ATACMS」の供与も求めていますが、ロシアとの緊張をよりエスカレートさせるおそれも指摘されていて、アメリカは今回の首脳会談では、供与の決定は見送りました。
議会で財政負担への懸念が根強いなか、バイデン政権は240億ドル=3兆5400億円あまりのウクライナ支援の追加予算を準備するなど、今後も支援を続ける姿勢ですが、アメリカが「最強の戦車」に続き、長距離ミサイルの支援にも踏み切るのかが次の焦点になります。
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