■全日本体操種目別選手権・予選(18日・東京体育館)
   
10月に行われる世界選手権(英・リヴァプール)代表の最終選考を兼ねた全日本体操種目別選手権予選が18日に行われ、初の代表入りを狙う杉野正尭(23、徳洲会体操クラブ)が、得意の鉄棒とあん馬で19日の決勝に駒を進めた。鉄棒は予選トップの15.033点をマーク、あん馬は予選3位に付けた。

この日、杉野が特に注目を浴びたのが得意種目である鉄棒の演技。日本では杉野しかできないF難度の大技、「ペガン」(バーを越えながら前方にかかえ込み2回宙返りし、半分ひねって懸垂)を決めると、そのまま流れに乗りG難度「カッシーナ」に成功。さらに、D難度「コバチ」とE難度「コールマン」を連続で繋げるなど、全ての技を大きなミスなく成功させた。最後の着地もピタリと止め、完璧な演技を披露した杉野は「よっしゃー!」と声をあげて喜びを爆発させた。目標としていた15点を超える15.033点で予選は全体トップ通過となった。

同じく得意種目のあん馬では、演技途中のEフロップでバランスを崩す場面もあったが、最後まで集中力を切らさず予選3位の14.500点をマーク。こちらも決勝進出を果たした。

予選を終えた杉野は「(昨年の五輪代表漏れから)1年間、代表を目指してやってきたので、(明日は)最後の集大成として見せることができれば今回良い形で終われると思う。最高の演技をお客さんに見せたい」と初の代表入りに向けて力強く語った。

世界選手権・男子代表には、既に橋本大輝(20、順天堂大学)、神本雄也(27、コナミ)、土井陵輔(20、日本体育大学)が内定している。今大会で決まる残り2枠は、19日の決勝後に発表される。