海を泳いで渡るなどして瀬戸内の島にも棲みつき、人間を悩ませているイノシシについてです。笠岡市の真鍋島で国交省などによる最新の情報通信技術を活用した鳥獣害対策の実証調査が始まることになり、おととい(19日)、イノシシを追い込むための装置が備えつけられました。

島の小高い場所に機械を設置します。情報通信などの技術を活用し、離島の課題解決に取り組む国土交通省のスマートアイランド推進実証調査に向けた作業です。

全国各地で海を泳いで移動する姿が目撃されているイノシシです。笠岡市の真鍋島でも、10年前には1頭もいなかったイノシシがやって来て繁殖し、農作物などに被害が出ているということです。

(島の人)「大きな100キロ以上あったイノシシが海にダイビングした、それを見とるからな」

(島の人)「サツマイモを植えてても掘られてしまって、できるのは民家の隣に畑がある所くらい。離れた所だともうできない」

今年度の実証調査は、全国で8つの島が選ばれていて、真鍋島ではイノシシの駆除に向けた取り組みを行い、効果的な鳥獣害対策モデルを構築します。

設置したカメラの映像からAIで行動を分析したり、ドローンを使って空から威嚇し追い込むなど、最新技術を活用した捕獲が計画されています。

(エイト日本技術開発 都市環境・資源・マネジメント事業部 松島進 部門長)「地形条件を生かしたイノシシ対策を行って、実証して、今後ほかの島でも有効な試みになれば」

今回の実証調査には岡山理科大学の辻維周教授が開発に携わった「いのドン」も使われます。

センサーがイノシシを感知して威嚇音を出す装置は、これまでにも成果を上げていて、今回は捕獲に向けて行動範囲を限定させる役割を担います。

(岡山理科大学教育推進機構 辻維周教授)(※辻はしんにょうの点が一つ)
「これだけで到底獣害は抑えきれませんので、常に監視してアップデートするところはしたいと思う」

実証調査は10月1日から始まり、来年2月に効果の検証や分析が行われます。