月面探査の実現を目指す日本の宇宙ベンチャー「ispace」の代表が国連のイベントで講演を行い、今年4月の月面着陸失敗について着陸船のソフトウェアに問題があったことを明らかにしました。

国連総会にあわせてニューヨークで開かれたイベントで19日、宇宙ベンチャー「ispace」の袴田武史代表は、開発した着陸船で今年4月に挑んだ月面着陸の失敗について、その後の分析結果などを明らかにしました。

月面に着陸する際の速度の制御に問題はなかったものの着陸船が月の地表のクレーターからの距離を誤って認識し、高さ5キロの地点で「地表に到達した」と判断し着陸失敗につながったということです。

原因はソフトウェアの問題で機械装置には問題が無かったということで、来年予定されている2回目の打ち上げには1回目と同じ設計の着陸船を使用するとしています。

袴田代表は月面探査によって月にあるとされる水が見つかれば、月面で水素と酸素を取り出すことで宇宙開発の燃料にすることができると説明し、「地球の持続可能性にとっても、重要だと思う」と話しました。