95歳で現役の助産師として活躍する女性が大分県津久見市にいます。お世話をしてきた赤ちゃんは2万人以上。今も、新しい命の誕生を見守り続ける姿を敬老の日の18日に紹介します。
津久見市新町の住宅地にある助産施設。ここで現役の助産師として働くのが江藤信子さん95歳です。
(助産師・江藤信子さん)「お母さんが立派に子供を育てていくのをね、見るのが楽しみです。73年になりますね」
江藤さんは、助産師の養成所を卒業後、1950年、22歳のときに助産所を開業。数多くのお産に立ち会ってきました。病院での出産が主流になり1990年に分娩に携わるのを辞めましたが、赤ちゃんの沐浴など産後ケアを続けています。

(助産師・江藤信子さん)「お宝って思いますね。神仏様にいただいたお宝と思う。宝物を大事に扱うのが私達の使命だから」
これまでに2万人以上の赤ちゃんのお世話をしてきたという江藤さん。中には2世代、3世代にわたり付き合いのある家族も。
(藤木沙也さん)「私が生まれたときも私の母がおっぱいがちょっと出なかったらしくて、おっぱいマッサージをしてもらいに江藤さんのところに来てたみたいです。それで母の紹介で私も産まれたら来ようと思ってて、それでこの子が生まれてすぐ来ました」
大阪から津久見に帰省し「里帰り出産」をした藤木さん。江藤さんのアドバイスで子育ての不安も解消したそうです。
(助産師・江藤信子さん)「サークルなんか行ってお友達作って仲良くしていったら、いろんな知恵を貰うから。決して1人じゃない」
(藤木沙也さん)「困ったらみんなここに来るという感じで津久見の人はもう江藤さん知らない人がいないぐらい、本当にみんなの心のよりどころみたいな感じになってます」
95歳になった今も生き生きと働くことができているのは純真無垢な赤ちゃんのおかげと江藤さんは教えてくれました。
(助産師・江藤信子さん)「赤ちゃんは可愛い、私の命みたいに可愛い。全てが生きがい。だから毎日元気で生きられる」
「生涯現役」を目指す助産師の江藤さん。赤ちゃんと母親を見守る優しいまなざしは70年以上経った今も変わりません。