インド北部で小さな新聞社を立ち上げた被差別カーストの女性記者たちを追ったドキュメンタリー映画が公開されました。
上村彩子キャスター
「東京・渋谷の映画館です。きょうが映画の公開初日ということもあって、たくさんの方が訪れています」
70年以上前に憲法で廃止されて以降もインド社会に根強く残る「カースト制度」による差別。これは、その最下層で「ダリト(不可触民)」と呼ばれ、長年、差別を受けてきた女性たちが立ち上げた小さな新聞社が舞台のドキュメンタリー映画です。
貧困などに直面しながらも、政治の腐敗や性暴力の問題を粘り強く取材していく女性記者たち。やがて、地域社会を変える存在となっていきます。
きょうから公開が始まった、「燃えあがる女性記者たち」。去年のアメリカ・アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞にノミネートされるなど、世界の映画祭で反響を呼びました。
観客
「一人一人が声をあげていくことの重要さを、勇気と共にもらいました」
「世界が広がったというか、見ていなかった部分がたくさんあったなと愕然とする思いがありました」
制作に至った背景について、監督は。
スシュミト・ゴーシュ監督
「カースト制度は、最も人権を無視したシステムです。(憲法で廃止されたあとも)インド人のDNAに深くしみ込んでいて、取り除くのが難しく、現代にも形を変えて存在しています」
リントゥ・トーマス監督
「日本を含め、世界には名もなきカースト制度がいまだに存在しています。あなたが誰であろうがどこにいようが、もし不公平な状況に遭遇したら、きちんと声をあげて立ち向かう。この映画を通じて、その大切さを伝えていきたいです」














