(岩手スバル自動車 間野英雄 社長)
「いままでの人のつながりを皆さんにも知っていただけるような機会が作れればなと。人で言えば生き残ってきたという話になりますけど、使われてきた。それをもう一回頑張ってみないかとこのクルマに問いかけてあげることと、そこに命を吹き込んであげられればもっといろんな人にもそういったところが伝わってくるのではと思います」
サンバーは岩手スバル自動車が引き取り、修理した上で東日本大震災を伝える「動く遺構」としての役割を担うことになりました。
12年前にサンバーを贈った東京の団体にとってもうれしい知らせになりました。
(東久留米川クラブ 荒井和男さん)
「伝承物のようになって残るということがとても嬉しかったです。今の車社会ですから用が終わるとスクラップになっちゃうのが普通なんですけど、そうじゃなくて皆さんの思いが寄せられて、それが車に届いて、それが皆さんに伝える一つの材料になればいいなと」
サンバーとお別れするこの日、佐々木さんは初めてクルマに自分でメッセージを書きました。

(佐々木健さん)
「Just go with it!(どういう意味なんですか?)流れに任せる。なるようになればいいって感じかな」
震災から12年の日々をともに過ごした愛車との別れです。佐々木さんはこれからサンバーが担う、震災を伝える新たな役割に期待を寄せています。

(佐々木健さん)
「12年、一つの区切りにはなるけれども、もしもこのクルマが走れるようになった時にこれを見てくれた人たちが、『震災ってまだ終わっていないよな』って思ってくれればいい。常にそういう意識をもっていざという時に備える気持ちがあれば。自然災害っていつ起きてもおかしくない状況にあるわけだから」
大槌町の復興に寄せられたたくさんの人々の思いを載せて、サンバーは震災を伝え続けます。
