東日本大震災の発生直後に「支援物資」として岩手県大槌町に贈られた1台の軽ワゴン車があります。あれから12年。スクラップの危機にあったこの車の運命が今、大きく変わろうとしています。クルマに込めた人々の思いとは。

「手動式の窓でございます。乗っている人も古いですが、車も古いです」

大槌町の佐々木健さんです。この日、12年間乗った愛車のスバル・サンバーとお別れすることになりました。

「12年という時間の歴史がここに刻まれているかなっていう気がしますけどね」

サンバーは津波に車を流された佐々木さんに支援物資として届けられました。車体にはボランティアなどで大槌を訪れた人々の手による、町の復興を願うメッセージがびっしりと書き込まれています。


(佐々木健さん)
「外から見た人たちが『大槌っていいところがいっぱいあるよね』っていうふうに
思ってくれてることを書いているわけだから、それは逆に僕らが気が付かなかったこともあるし、あらためて教えてもらったということもあるだろうし」