ウクライナ東部ルハンシク州の「最後の拠点」とされるセベロドネツク。ロシアは市民退避のための人道回廊を設置すると発表しましたが、開始の情報はまだ入っていません。

「急いで!」

地下から出てくる人々。避難するために車に向かう間も砲撃音が響きわたります。

これはウクライナ国家警察が公開したもので、ロシア側が攻勢を強める東部ルハンシク州とされています。

住民
「選択肢はありません。砲撃のせいで避難用のバスが来られず、警察が人々を避難させてくれています」

この州「最後の拠点」とされるセベロドネツクでは、14日も広範囲で煙が上がりました。

化学工場には子どもを含む500人の市民が残っているとされていますが、AP通信によりますと、州知事は砲撃が続いているため大勢の避難はできない状態だと訴えています。

こうしたなか、ロシア国防省は市民を退避させるための人道回廊を、日本時間15日午後2時から設置する用意があるとする声明を発表。

タス通信よりますと、親ロシア派勢力「ルガンスク人民共和国」の内務省幹部は、攻撃が続く工業地帯にはウクライナ側の兵が2500人留まっている可能性があると主張していますが、真偽のほどは分かっていません。

また、これまでのところ実際に人道回廊が設置されたとの情報は入っていません。

ゼレンスキー大統領はセベロドネツクを含む、東部ドンバス地方の重要性を強調しました。

ウクライナ ゼレンスキー大統領
「ドンバスで敵の損失が大きいほど、侵攻を続ける力が弱まる。そのためドンバスの今後がこれから数週間で、誰が支配者となるかを決めるキーとなる」

ゼレンスキー氏はウクライナ西部への攻撃もあったとして、西側に対し迅速な武器の供与を求めています。

ウクライナでの戦況についてイギリス国防省は「ロシアの作戦の中心はセベロドネツクのまま」だと指摘。また、北東部ハルキウ州ではロシア側がわずかに支配地域を拡大したと分析しています。