来年6月に行われるメキシコの大統領選挙に向けて、左派与党の国家再生運動(MORENA)が6日、党候補を発表しました。この結果、与党と野党の双方とも候補者が女性となり、メキシコ初の女性大統領が誕生する可能性が高まっています。

メキシコで現職のロペスオブラドール大統領の任期満了に伴い、来年6月に行われる大統領選について、左派与党の国家再生運動(MORENA)は6日、前メキシコ市長のクラウディア・シェインバウム氏(61)を候補とすることに決定したと発表しました。

党内では、エブラルド前外相(63)も有力候補と見られていましたが、ブルームバーグ通信によりますと、党が行った世論調査の結果、シェインバウム氏が最大で16ポイントリードしていたということです。

以前からシェインバウム氏の優勢が伝えられていた中、エブラルド前外相は6日の発表直前に、「プロセスに不正があった。やり直す必要がある」などと不満を表し、候補者が発表された党大会にも姿を現しませんでした。

今月3日には野党連合が、上院議員のソチル・ガルベス氏(60)を統一候補に選出していて、これでメキシコ初の女性大統領が誕生する可能性が高まっています。

大統領選挙に向けては今年6月に行われた地方選で、国内で最も人口が多く、野党がおよそ100年にわたって堅持してきたメキシコ州知事の座を与党が奪ったほか、現職のロペスオブラドール大統領の人気を背景に、地元紙の世論調査では与党側がリードしています。

現政権には国営電力公社を優遇するなどの保護主義的な政策が見られていて、与党候補に決まったシェインバウム氏はこれらの政策運営を継続する可能性が高いと見られています。