北朝鮮の金正恩総書記が今月、ロシアを訪問し、プーチン大統領との会談を計画しているとアメリカメディアが報じました。会談が実現すれば2度目ですが、両国の思惑はどこにあるのでしょうか?

ウクライナ軍の反転攻勢開始から3か月。

ウクライナ兵士
「負傷者1名!血止めバンドを装着した」

南部ザポリージャ州の一部ではウクライナ軍がロシア軍の防衛ラインを突破し、進軍を続けているとみられます。これにプーチン大統領は…

ロシア プーチン大統領
「反転攻勢については、停滞しているというか完全に失敗している」

こうした中、北朝鮮の金正恩総書記が今月ロシアを訪問し、プーチン大統領との会談を計画しているとニューヨーク・タイムズが報じました。

会談が実現すれば2019年以来で、プーチン大統領は砲弾や対戦車ミサイルを送るよう求めている一方、金総書記は人工衛星や原子力潜水艦に関する先端技術に加え、食料の提供を望んでいるとしています。

4年前、プーチン大統領は夕食の席を用意するなど金総書記を歓迎。首脳会談が行われれば2度目ですが、両国の思惑はどこにあるのか。まずロシア側については…

明海大学 小谷哲男教授
「ロシアとしては、いまウクライナが反転攻勢を強めている中で、かなり砲弾が不足しているはずです。軍需産業もダメージを受けているはずなので自分たちで砲弾を追加生産することが難しい。そんな中で北朝鮮から砲弾の供与をしてもらいたいというところ」

7月にはロシアのショイグ国防相が北朝鮮を訪問し、金総書記自らが兵器の展示会場を案内する厚遇ぶり。北朝鮮側の狙いは…

明海大学 小谷哲男教授 
「先日も人工衛星の打ち上げ、2回目失敗しておりますし、また原子力潜水艦の導入に関してもあまり進展が見られないようです。この人工衛星とか原子力潜水艦というのはまさにロシアが得意としているものなので、砲弾の供与と引き換えにロシア側から人工衛星や原子力潜水艦の開発に関して、技術援助を得たいというところではないかと思います」