新型コロナの5類移行後、制限緩和が進む飲食店ですが、大きな悩みに直面しています。街の喫茶店を取材しました。

山形市七日町の喫茶店、珈琲ひまわりです。

客「ちょこちょこ来たいんだけど歳でここまで来られなかった」
珈琲ひまわり 堀部二男さん「きょうたまたま街なかに出て(店に)来てくれた」
客「頭から離れないほど、この店を気に入っている」

オープンはおよそ50年前。常連客から愛される存在です。
店の看板メニューは、ブレンドコーヒーとチーズトースト。

報告・矢野秀樹「サイフォンで入れた珈琲、香りも格別!街の憩いの場が、今、苦境に立たされています」

珈琲ひまわり 堀部二男さん「この通りに(喫茶店が)10軒近くあった。今は2、3軒」

帝国データバンクによりますと、全国で喫茶店の倒産が相次いでいて、
今年は7月までで44件と、過去最多となる可能性があるといいます。

その原因が…

珈琲ひまわり 堀部二男さん「一番主流の珈琲豆が(1キロあたり)20%まで上がっている」

マスターの堀部二男さんです。

二男さんを悩ませているのが、物価の高騰。

ブルーマウンテンなどの日替わりのコーヒーは、今年、値上げせざるを得ませんでした。

さらに…

珈琲ひまわり 堀部二男さん「(電気代など)とにかく全てのものが1割5分から2割近く、全部値上がりしている」

政府の電気代の補助金制度が適用されるのは、今月使用分まで。
店内の照明を節約するなど、心配は尽きません。

半世紀以上に渡り、夫婦二人三脚で店を守り続けた二男さん。

苦しい中でも、看板のブレンドコーヒーは10年以上、値段を据え置いています。

珈琲ひまわり 堀部二男さん「毎日来てくれるお客さんが多い。そのお客さんに対して(値上げは)ものすごくせつない。お客さんも『病気しないでがんばって』と励ましを受けているのでこれからもがんばります」

地域の憩いの場を守りたい。

値上げの波に負けず、二男さんはきょうもサイフォンで心地よい音を奏でています。