神奈川県知事 ライドシェアの検討を指示

タクシー不足が指摘される中、神奈川県の黒岩知事がライドシェアの検討を指示しました。
8月29日の定例会見で
「訪日客、インバウンドが急激に回復する観光地において、タクシーがなかなかつかまらないという状況があります。」
「現状の法律の中でできないのであれば、国家戦略特区を使った実施というのはできないか。(中略)慎重に検討していきたい。」
と話し、あまり時間をかけないでしっかりやっていきたいと、前向きな考えを示しています。

タクシー業界の反応はー

一方で、タクシー業界からは反発の声が出ています。

全国ハイヤー・タクシー連合会の川鍋一朗会長
「安全運行管理、整備管理の主体を置かない形でのライドシェアは日本にはなじまないのではないかと。ライドシェアを解禁すれば全部解決というのは短絡的」
としています。

タクシーの乗務員1人を育てるのに、約1か月、約100万円のコストがかかります。
タクシードライバーには二種免許の取得が必要で、地域によっては地理試験などを行っています。
その規制を緩和してタクシーの乗務員を増やすことから考えていくのはどうか、という指摘もありました。

日本での実現には「二種免許」の取得がネック

航空旅行アナリスト 鳥海高太朗氏:
海外と違うのは、日本は二種免許がないとタクシードライバーになれない。車も緑ナンバーでないといけない。ここが今回のネックになると思います。
先週熱海で取材したんですが、この夏休みの日中、タクシーの「一時間待ち」が普通に起こっている。大分県の別府でも起こっていて、やっぱり時間帯によって本当にタクシーが捕まらなくなった。
もう本当にタクシーが足りない中で、時間帯や混雑する曜日など、民泊と似たような形で制限を設けてどこか特区で1回実験をやってみるのもいいのかなというところはあります。

コメンテーター 水谷隼:
いざ日本でやるかってなったとき、やっぱり運転手の“信頼”ですよね。
例えば、ゴールド免許を持っている人とか、何か厳しい試験があるとか、登録制とかにした方がいいのかなとは思うんですよ。

航空旅行アナリスト 鳥海高太朗氏:
二種免許ってかなり取るときに厳しいので、二種免許を取るか取らないかは大きい。
二種免許を取った人だけライドシェアができるのか、それとも普通免許でできるのかというところも、議論の余地としてはあるのかなと思います。

弁護士 八代英輝:
インバウンドでたくさんの海外のお客さんを迎えるにしても、羽田空港で1時間近く待たされているお客さんを見ると、このままじゃちょっと難しいだろうなというのは見えますね。

航空旅行アナリスト 鳥海高太朗氏:
そうですね。タクシーがつかまれば乗りたいけど「ない」というときに、このライドシェアが新たな選択肢になるという部分も含めて、‟移動ができない”というフラストレーションを解消することが大切。
それだけ今この「タクシーが捕まらない」というのは大きな問題だと思います。

(ひるおび 2023年9月4日放送より)