この度の夏季限定展示は、その時 実際に捕獲されたサメの口蓋骨標本と、実物大の模型を見ることができるというもの。模型は全てが手作り。材料は竹、コンパネ、金網、新聞紙、粘土など。スタッフ5人で仕上げたそうです。

歯、エラ、表情…細部にもこだわりが

野村さん
「こだわったのは、やっぱりサメの特徴である置換歯ですね。ずっと奥にいっぱい歯が並んでいる部分を表現したくて」

歯は樹脂粘土を用いて再現されています。そのほか、エラの個数や、子どもが怖がらないための表情など、細部にまでこだわりました。

部屋に収まりきらないサイズ感!

ただそんなディティールよりも気になるのがこのサイズ感です。

野村さん
「実は最初から全身を作りたかったんですけど、この和室に5.3メートルは入らないので仲間内でもやめときなさいと反対の声はありました」

年々成長する実物大模型
しかし、野村さんの挑戦ははじまります・・・。展示初年度の2018年は頭部のみの展示。2年目には3.3メートルの全身へと進化し、さらに翌年には4メートルへと成長しました。そして、一昨年ついに実物大5.3メートルが完成!その後もサメの迫力を演出するために毎年改良を重ねました。もちろん胴体は部屋におさまっていません。

野村さん
「四角の部屋の中に収まりきらなかったっていうのがまたポイントで、これだけ大きいんだよってのが表現できたんじゃないかと思ってます。挑戦し続けてよかったなと」

そして、こだわりがもう一つ。

もう1匹のサメの模型

野村さん
「実はメスで、捕獲された当時、妊娠していたそうです。だから世には出てこられなかった赤ちゃんなんですけど、この子も紹介できたらいいなと思って作りました」

海のハンターも絶滅の危機

海の中では生態系のトップに位置するホホジロザメ。ただ海洋汚染をはじめとする環境の悪化などが原因で、現在絶滅の危機に瀕しています。こちらの展示には、そんな地球環境やいのちの大切さについても考えてほしいとの思いが込められています。

模型を見た子ども

「思ったよりおおきくてびっくりしました。ちょっと怖いです」

捕獲劇からおよそ四半世紀。来年はどうなるんでしょうか?

野村さん
「夏の思い出をみなさんに提供できればと思っているので、これからもマイナーチェンジをしていくのか、どーんと変わるのか。楽しみにご覧いただければと思います」

光ふるさと郷土館 夏の風物詩。ホホジロザメの模型はこれからも成長する予定です。