他のガラスとの違いは

この「防災安全合わせガラス」は、どのくらい強度があるのでしょうか?
機能ガラス普及推進協議会の池田直輝氏にスタジオで実演してもらいました。
「板ガラス」「網入りガラス」「強化ガラス」「防災安全合わせガラス」の4種類のガラスを金槌で叩きます。

▼板ガラス・・・1度で全面が割れ、大きな破片に
▼網入りガラス・・・1度で放射状に割れるが、中に入った針金でガラスは落ちない
▼強化ガラス・・・1、2回目では割れなかったが、3回目で粉々に
▼防災安全合わせガラス・・・3度叩いたところ、細かいひびは入るが、穴は開かない

「網入りガラス」は、火災の際、炎が燃え広がらないようにする防火用ガラスとして、ビルの窓などに使用されています。
「強化ガラス」は、普通のガラスより3倍から4倍ほど衝撃に強いガラスで、電車や自動車の扉、自動扉などにも使われています。割れると粉々になることで、ケガをしにくくなっています。

機能ガラス普及推進協議会 池田直輝氏:
「防災安全合わせガラス」は、粉々になりませんし穴が開きません。強風で瓦や看板が飛んできても、身を守ることができる。自動車のフロントガラスにも使われています。

恵俊彰:
災害時の台風であったり、すごく強い風が吹いたりすると何が飛んでくるかわからないじゃないですか。そうするとかなりの衝撃がある。これだけガラスによって違うわけですね。

避難所での普及率は

国が定める災害時の屋内避難施設は全国で7万3488か所あります。
一部の避難所では既に「防災安全合わせガラス」の普及が進んでいますが、避難所となっている小中高等学校での普及率は、わずか2.6%。
ほとんどの学校では普通のガラスが使われています。

恵俊彰:
「防災安全合わせガラス」が、全国のご家庭に普及するというのが理想なんでしょうけれど。まずは最低限、避難所にはこれがあればって思いますけど、なかなか小中学校では普及が進んでないということですね。

弁護士 八代英輝:
体育館とか、高いところに窓がある施設が多いですから、ガラスが上から落ちてくると危険ですよね。コスト面ではどれぐらい違うんですか?

機能ガラス普及推進協議会 池田直輝氏:
1枚に、ガラス2枚と特殊な樹脂が使われていますので、普通のガラスに比べますと、やはり4倍ぐらいの値段はします。
けれども防犯にも使えますし、身の安全を守るためですから。

恵俊彰:
災害が多い国ですから、費用面でもどこに何をかけるかということは非常に大事だと思いますけれども。
こういったガラスがあるということを知っておくことが、まず大事なことなんじゃないでしょうか。

(ひるおび 2023年9月1日放送より)