大雨などによる浸水の状況をリアルタイムで把握する。そんな仕組み作りを目指す国の実証実験が高知県いの町で始まりました。浸水を察知するために活用されるのは自動販売機です。

国土交通省は「小型、長寿命、低コスト」のセンサを使って、浸水の状況をリアルタイムに把握するための実証実験を昨年度から全国で行っています。浸水センサの電極部分が水に浸かると、国のサーバーに浸水を知らせる信号が送られ、国や自治体が浸水状況をリアルタイムで把握できる仕組みです。商品の補充で定期的に人が訪れる自動販売機に取り付けることで、設置位置のズレやイタズラなどを防ぐ狙いがあります。県内では初めていの町で31日から実証実験がスタートしました。

町では2014年に2度の台風で宇治川流域のおよそ300棟が浸水被害に遭うなどしました。現在も浸水状況の把握は職員の目視で行っているため、無人で浸水を把握できるようになれば様々なメリットがあるといいます。

(いの町総務課 土居浩 課長)
Q.浸水センサのメリットは
「災害時のマンパワーの削減やかかっていたマンパワーを別の対応に回せるといった利点が考えられる」

県内では四万十市でも実証実験が行われる予定です。今後は浸水センサが正常に作動するかどうかなどを確認していき、実験がうまくいけば設置個所を増やしていく方針です。