キャンプファイヤーには日常を満たす新たな可能性がある

うめキャンプ村の全国的にも珍しい特徴というのが丘の上に掘ったような形で作られたキャンプファイヤー場。他人同士が集まっても自然と一体感が生まれていき他者とつながれる空間です。

(戸髙雅史さん)「あんなデザインを30年ほど前に採用したのは驚きです。みんなが集まるには最高の場所なんです。それぞれのグループで終わるはずのキャンプ体験が、火を中心に集まって不思議な一体感を体験する。もしかしたら僕たちの新しい日常を満たすような可能性を持っているような気がするんです」

人が自然の中で生きていることや人と人がつながることを、炎を通じて体験できるのがキャンプファイヤーだと戸髙さんは言います。

夕食前、スタッフ3人で運び出したのはアフリカの太鼓・ジャンベやウクレレなどいくつもの楽器。キャンプファイヤーでは、いつも演奏をしながら場をつくります。

キャンプファイヤーの準備をする戸高さん

(戸髙雅史さん)「僕はかぐや姫やチューリップの時代に育ったので自分で歌作ったりもしていて。以前、屋久島の森を歩いているときに急に自分から声を出したくなって、ほ、ほ、や、ほーや、みたいなシンプルな声だったんですけど、鳥たちが一斉に歌ってくれてしばらくセッションしていたんです。それが自分のベースになって、もう出るままに音を出すというかその場で生まれる即興のリズムを大切にしています」

夕焼け

日がすっかり暮れた午後7時半ごろ、この日一緒にキャンプに来ていた4家族が丘に集まり、みんなで組んだ薪を見つめ点火のときを待ちます。

(戸髙雅史さん)「じゃあ火の神様に来ていただきます!」

輪の中心に火が立つと、楽器のジャンベを叩きながら、炎と共鳴するように体の内から出てくるリズムを奏でます。炎を囲み、大自然に包まれ、子どもたちは初めての体験に心躍らせていました。

(子どもたち)「たのしかった」「焚火と全然違う」「焚火と大きさが違う」「なんかメラメラメラメラって燃えてきて」「燃え尽きた!」

さらに戸高さんはウクレレを弾いて歌を歌い始めました。リズムに合わせてジャンベを叩いたり、歌に合わせて踊ったり、はたまた丘の上を走り回ったり。子どもたちは自然の中で思い切り遊んでいました。