高知県中土佐町の旬の味覚「メジカの新子」の提供が始まっています。“今の時期しか食べられない”味を求めて、大正町市場には29日も朝から大勢の人が訪れていました。
つやつやとした、輝く刺身!中土佐町の久礼大正町市場で今年も提供が始まった「メジカの新子」です。
「メジカ」はサバ科のカツオの仲間で、中でも生後1年未満の稚魚は「新子」と呼ばれています。鮮度が長持ちしないことから、県外にはめったに流通しない人気の味覚です。
今年は例年より遅い8月22日から提供が始まりました。
(久礼大正町市場協同組合 田中隆博 理事長)
「だいたい7月の終わりからメジカが見えだすんやけど、台風の関係でお盆明けまではほとんど見えなくて…。『今年は漁がないかもしれん』と言っていたのが、なんとか(8月)20日前後からとれだして、『やっぱり今年もメジカが来たか』と。『少しはゆっくりできるかな』と思っていたら、また慌ただしいメジカの季節になりました」
大正町市場では今年から市場内の空きスペースに小屋を設け、メジカと新子を提供しています。小屋は漁師の船ごとに建てられ、朝とれたメジカと新子が運び込まれると漁師の家族=おかみさんが手際よく捌いていきます。
「久礼大正町市場内の『メジカ横丁』です。午前10時の販売開始前からすでに『完売』の文字があります」
平日にも関わらずこの人だかり。すぐに完売することも珍しくないといいます。
(訪れた人 高知市から)
「もう新子を食べたくて、この日に行こうと計画して来ました」
1時間以上並んだというこちらの男性陣は…
「すんごいもっちもちですね」
「ブシュカンがめっちゃ良いね、香りが」
「すっごいもちもちで、ブシュカンとの味の組み合わせがすごくおいしいです」
「めちゃくちゃ新鮮やし、初めての快感。おいしい」
中土佐町久礼では新子の皮を取り除き、柑橘のブシュカンと醤油をかけて食べるのが伝統です。
提供される新子とメジカの数はその日の漁での獲れ高に左右されます。29日はいつもより少なめのおよそ250匹。「遠方から来たのに食べられない」という事も多いといいますが、久礼大正町市場では訪れる人たちに理解を求めています。
(久礼大正町市場協同組合 田中隆博 理事長)
「(漁師は)できるだけ早く新鮮な形で、『釣りすぎない形で帰ってくる』というのが暗黙のルール。たくさん釣って売りたいのを我慢して、『少なめでも(メジカが)新しいうちに帰ってくる』と毎日やっている。どうしても(数量が)限定になりますけど、よろしくおねがいします」
“今しか食べられない”久礼大正町市場でのメジカと新子は、今年は9月末ごろまで楽しめそうだということです。
久礼大正町市場は「連日、メジカの新子を求めて大勢の人が訪れている。特に土曜日・日曜日は大変混雑するので、できるだけ平日に訪れてほしい」と呼びかけています。














