■第19回世界陸上競技選手権大会 最終日(日本時間28日、ハンガリー・ブダペスト)
男子5000m決勝はヤコブ・インゲブリクセン(22、ノルウェー)が今季自己最高の13分11秒30で史上4人目の連覇を達成。2冠を狙っていた今大会だが1500mは銀メダル。中3日で迎えたレースで意地を見せた。
序盤は後方からレースを進めたインゲブリクセン。先頭は最初の400mを66秒。その後もペースが上がらないなか、700mを過ぎてI. R. キプルイ(18、ケニア)が集団を飛び出し揺さぶりをかけた。エチオピア勢が引っ張っていた2位集団がペース上げ、2400m過ぎにキプルイを吸収。集団が1つになり、インゲブリクセンは徐々に前へと位置取りを変えた。
今季世界最高のタイムを持ち、今大会は10000m4位のB.アレガウィ(22、エチオピア)らが先頭に立つなか、残り2周でインゲブリクセンは5番手の位置。ラスト1周で集団がスパートすると、余力を持ってレースを展開してきたインゲブリクセンは200mを切ったところで2番手にあがった。最後の直線勝負で、前を行くスペインのM.カティル(25)を追い、ゴール手前でかわしたインゲブリクセン。最後の1周を53秒で駆け抜け金メダルを獲得、連覇を達成した。
レース後に「先週、体調を崩しコンディションが良くない中結果を残せたのは良かった。(パリ五輪、東京の世界陸上では)出来れば両方で金メダルを獲りたい」と話したインゲブリクセン。陸上一家に生まれ、7人兄弟の五男。二人の兄は五輪や世界陸上への出場経験があり、三男のフィリップは世界陸上ロンドンの1500mで銅メダルを獲得している。今大会は一家にふたつのメダルが加わった。
【男子5000m決勝】
金メダル J.インゲブリクセン(ノルウェー)13分11秒30
銀メダル M.カティル(スペイン)13分11秒44
銅メダル J.クロップ(ケニア)13分12秒28