国内で75年ぶりとなる路面電車の新たな路線があす、宇都宮市で開業します。長年、課題となってきた交通渋滞を解消できるか注目されています。
雷が多い宇都宮の街をイメージしたイナズマを象った車体。“雷都”を颯爽と駆け抜けるこの列車は今月26日に開業する次世代型の路面電車=「ライトライン」です。
記者
「揺れは少なく座席の幅も広いので、快適な乗り心地になっています」
JR宇都宮駅と芳賀町にある工業団地までの14.6キロを、およそ44分で結ぶ街の新たな“大動脈”。
街の人
「楽しみ」
「便利で使いやすそう」
住民からの期待を胸に運転士も入念な確認作業に徹します。
「徐行で行きます」
「現場注意で」
宇都宮ライトレール 武井宏祐 運転士
「多くのお客様の笑顔を乗せて、この宇都宮の町を走り抜けたい」
「ライトライン」は宇都宮市“肝いり”の大規模プロジェクト。構想から30年、600億円以上の事業費をかけて「新路線」が整備された理由は…
宇都宮市 佐藤栄一 市長(今年6月)
「慢性的な交通渋滞の社会問題化に伴い構想が生まれた」
宇都宮市などでは長年、工業団地の周りで起きる慢性的な交通渋滞に悩まされてきました。街の中心地から車で通勤する場合、25分ほどで到着出来る道も朝の通勤ラッシュ時には…
街の人
「(Q.通勤何分ぐらいかかる?) 1時間前後、渋滞はずっとしているんで」
市はライトラインの利用客は1日1万6000人以上いると見込んでいて、そのうち8割を通勤客が占めると予測。車やバスで通勤していた人がライトラインに乗り換えることで、渋滞は解消される見通しだとしています。ところが…
街の人
「今の段階では、私は車の方が便利だとは感じてる」
「(ライトラインで)一車線潰れちゃってますので、それがちょっと不安は不安」
取材した30人のうち、8割を超える26人が「引き続き通勤では車を使い続ける」と回答。
ライトラインを走らせるにあたり、道路の片側1車線分を線路にしたところもあるため、「新たな渋滞を招いてしまうのではないか」と不安視する声も聞かれました。
専門家は「行政と企業が一体となって改革を進めることが重要」と指摘します。
國學院大學 高橋信行 教授
「市も重要なんですけど、沿線の企業がLRT(ライトライン)の利用促進を従業員にどれだけ打ち出してくれるかが大事。(渋滞の)悪循環から抜け出す切り札であるというふうに評価してもらえばいいかなと」
「ライトライン」はあす午後3時からの開業を予定しています。
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