戸井宏光記者
「きょうからイワシ網漁の解禁です。こちらの水産会社では、出漁の準備に追われています」


10日は、イワシ網漁の解禁日。広島県内 最南端の島・呉市 倉橋町 鹿島にある石野水産では、解禁に合わせて、「ちりめん」に加工するためのシラス網漁を始めました。


網を引く漕ぎ船2隻に指揮船、運搬船、あわせて4隻の漁船が漁場へ向かいます。


出港から2時間余り…。群れを見つけると、長さおよそ120メートルの目の細かい袋網を2隻の漕ぎ船が広げていきます。


2時間ほどかけて、ゆっくり移動しながらシラスを追い込んでいきました。


いよいよ、水揚げです。シラスとは、カタクチイワシの稚魚で体長2.5センチほど。10朝は、1回目の網入れでおよそ500キロのシラスが水揚げされました。


この時期は、まだ海水温が低いため、初日としては「まずまず」だということです。


石野水産 石野忠勝社長
「どこに行くか迷い、ちょっともたついて、だいじょうぶかなと思ったが、揚げてみたら質もいいし、思ったより魚が入っていたので安心した」


品質のよい「ちりめん」に仕上げるには、鮮度が重要です。


水揚げされたシラスは、すぐに運搬船で加工場に運び、釜ゆでされ、乾燥。1時間半ほどでちりめんに加工します。


ことしは、新型コロナの収束を見越して、新たに観光みやげとして、ちりめんを売り出すということです。


石野水産 石野智恵さん
「コロナ禍で家から出られず、通販をメインにやってきたが、これからは来てもらい、観光などを交え、新しい展開ができたらいい。広島の初夏の味をぜひ楽しんでほしい」


シラス網漁は、海水温が上がる来月からお盆にかけて最盛期を迎えます。