東京電力・福島第一原発の処理水を海洋に放出する方針をめぐり、岸田総理は全漁連会長と面会し、「今後、数十年の長期にわたろうとも、全責任を持って対応することを約束する」と述べて、理解を求めました。
午後4時前、総理官邸を訪れた全漁連の坂本会長。全漁連は処理水の海洋放出に反対していて、岸田総理は安全性の確保や風評被害対策など政府の方針を説明し、理解を得るために面会に臨みました。
岸田総理
「漁業者の皆様が安心して生業を継続できるよう、必要な対策を取り続けることを、たとえ今後、数十年の長期にわたろうとも、全責任を持って対応することをお約束いたします」
全国漁業協同組合連合会 坂本雅信会長
「漁業者・国民の理解を得られないALPS処理水の海洋放出に反対であるということは、いささかも変わりはありません。科学的に安全だといって、例えば風評被害がなくなるわけではないというように思っております」
面会の中で、岸田総理は処理水の海洋放出に関する予算措置などについて、水産予算とは別に計上する考えを表明しました。
面会後、全漁連の坂本会長は、総理から具体的な放出の日程についての話はなかったと明かしました。
ただ政府は、今月中に放出を開始する方向で調整を進めています。政府は福島で底引き網漁が解禁される来月を前に放出を開始し、得られたデータをもとに漁業の安全性を強調したい考えです。
官邸幹部
「休漁期に関する漁連の立場は、最大限に尊重したい」
いよいよ放出の時期が迫っていることについて、当の漁業関係者からは…
福島県の漁業者
「いやー、納得してませんね。(総理は)漁業者の、現場の声なんて全然聞いてないでしょうが。市民が安心して(魚を)食べてくれるかだよ」
官邸を訪問した漁連関係者
「どうしても『ありき』で進んでるんだなという思いがあったのは事実。それは今も変わらない」
別の漁連関係者
「一番気にしているのは中国の反応。魚を受け付けてもらえなくなるとか、値段がどんどん落ちていくのが心配」
岸田総理としては、きょうの面会の結果を踏まえた上であす、関係閣僚会議を開き、放出時期を正式に決める意向です。
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