17日夜、富山市の路上で19歳の男子大学生が死亡したひき逃げ事件で、亡くなった大学生の姉は「早く犯人が見つかってほしい、ただそれだけです。弟のためにも早く罪を認めてほしい」と話しました。

警察によりますと、17日午後11時ごろ、富山市婦中町響の杜の市道で、「男性が血を流して倒れている」と近くの住民から110番通報がありました。男性は病院に運ばれましたが、まもなく死亡が確認されました。

車はそのまま逃走したと見られ、警察は死亡ひき逃げ事件として約50人態勢の捜査本部を設置して逃げた車の行方を追っています。

警察は、現場に落ちていた学生証や家族への聞き取り、DNA鑑定から、男性の身元を石川県金沢市の大学2年生・山田翔向(やまだ・かなた)さん(19)と特定。

山田さんの死因は、司法解剖の結果、多発性骨折による外傷性ショックと気道内に血液が入ったことによる窒息とみられます。

また、山田さんは顔の損傷が激しく体にはタイヤでひかれた痕がないことなどから、警察は正面から顔をタイヤに踏まれた可能性もあるとみています。

18日夜、山田さんの姉(21)が取材に応じ、「なんで弟が巻き込まれちゃったんだろう。まだ実感がないんですけど、私たちの家族の中ではムードメーカーみたいな弟だったので」と、突然家族を失った悲しみを語りました。

姉によりますと、山田さんは「よく外に出かけるタイプ」で、事件当日は親と午後7時頃に自宅で夕飯を食べた後に外出。行先などはわかりませんが、帰宅途中に事件に巻き込まれたと見られます。

姉「あと5分ぐらいで家に帰れていたと思うのに」

事故の10時間前にも、お互いに実家で飼っている猫の写真をラインで送り合っていたということで「朗らかで家族思いで、優しくて愛嬌のいい子」だったといいます。

姉「早くつかまってほしい、ただそれだけです。弟のためにも。早く罪を認めてほしい」

現場は新興住宅地の間を走る市道で、山田さんは信号機のない横断歩道から約5メートル離れた車道に倒れていました。