野菜を供えて先祖を弔う伝統の祭り「ヤーサイ」が16日夜、高知県宿毛市で行われ大勢の人でにぎわいました。

宿毛市平田町の“野菜祭”は「ヤーサイ」と呼ばれ親しまれているお盆の伝統行事で、宿毛市の無形民俗文化財に指定されています。500年余り前、一條房家公(いちじょうふさいえこう)がこの地に藤林寺(とうりんじ)を建立し、京の都の風習に倣って先祖を供養するため始まったとされています。野菜を直接、供えるのは恐れ多いとして、ナスやキュウリなどは竹の先に取り付けられています。

祭りの呼び物は珍しい“竹回し”の儀式です。野菜を付けた竹の周りを数十人の子どもや大人たちが竹を立てて抱え、回ります。

大人たちが抱える竹は高さが8メートルほど。音頭に合わせて竹が揺れると、笹の葉が擦れる音と威勢の良い声が響きます。

(参加者)
「楽しかったです、めっちゃ。重かったですけど…」
「来年もまた来ます。伝統なので残して欲しいですね」

また、4年ぶりに子ども達が“太鼓踊り”を披露。“三番双”や“曽我兄弟”など11演目の舞で見物客を魅了しました。

訪れた人達はにぎやかな祭りの夜を楽しんでいました。