岩手県一戸町で9日、83歳の女性がクマに襲われ、亡くなりました。
命を守るためにはどうしたら良いのか、クマの生態を研究する専門家に今回クマが出没した背景とどのような対策が必要か聞きました。
「食べ物探している時に運悪く遭遇してしまったのかなと思いますね」

岩手大学でクマの生態を研究している山内貴義准教授です。山内准教授によりますと、今は山に食べ物が少ない端境期で、クマが人里に出没する機会が増えているということです。
一度人を襲ったクマが、また人を襲う可能性について山内准教授は。
(岩手大学農学部 山内貴義准教授)
「今回の場合もおそらく偶発的に人間とクマが至近距離で出会ってしまって襲われたという例なので、人を食べたりとかですね、そういった意味で襲ったわけではないので、基本的にはまた人を襲うことはないです」

これまでの研究から、クマは特に朝や夕方の薄暗い時間帯に活発に活動することが分かっています。

山内准教授は、クマに遭遇した場合は大声を出さずに、慌てず距離を取るのが効果的だとしています。また朝や夕方はなるべく山林に近寄らず、どうしても山林のそばを通らなければならない場合は注意するよう呼びかけます。

「まず人間の存在を知らせるために『クマ鈴』とかラジオとか、場合によっては大きな音が出る笛を吹いて山林に入るようにしてもらいたいのと、今クマの餌がちょうどない時期なので、餌を探して活発に動いています。どうしてもクマに遭遇してしまう可能性は非常に高いです。その場合に自分の身を守るためにクマ撃退スプレーとかを携帯して、いざという時にクマを追い払うことができる道具を持ち歩いて
山に入ってもらいたいと思います」
