高校野球は夏の甲子園が始まっていますが、先月、もう1つの『甲子園』が北海道で開催されました。その甲子園とは、写真の技術や表現力を競う『写真甲子園」』です。九州・沖縄ブロックの代表として出場した、浦添工業高校写真部の熱い夏をお伝えします。

「おめでとう~、おかえり」


7月30日。那覇空港の到着ゲートに姿を現した3人の女子高生。浦添工業高校の写真部です。北海道で4日間にわたって開催された写真甲子園の舞台から帰ってきました。

保護者
「感動しました、テレビの前でいっぱい泣きました」

写真甲子園での選手宣誓
「宣誓!われわれ代表19校の選手一堂は、日々向き合ってきた仲間と最後まであきらめず正々堂々シャッターを切り続けることを誓います」

ことし第30回の節目を迎えた全国高等学校写真選手権大会、通称「写真甲子園」。3人が1組のチームとなり出題されたテーマに沿って地域の中を撮影。8枚の組写真を作り、技術力や表現力を競う大会です。

ことしの応募数は過去最多!全国584校の応募の中から各地域ブロックでの予選を勝ち抜き本選への出場権を獲得した19校が、写真のまち北海道東川町で熱い闘いを繰り広げました。

中でも屈指の激戦区と言われる九州・沖縄ブロックを勝ち上がったのが、3年ぶりに本選に出場するのは浦添工業高校。現在1、2年生27人の部員が所属する浦添工業高校写真部は、過去に写真甲子園で2度の優勝経験がある強豪校。

そんな中、今回部の代表として挑んだのは、責任感が強くしっかり者のキャプテン安里すずらさん。猪突猛進、考えをすぐに行動に移すことができる、金城花音さん。物事を冷静に見ることができる、上江洲心音さんの3人。全員2年生です。

大会4日前。この日は本番を想定した撮影練習を実施。那覇市の栄町市場商店街で『営み』をテーマに作品を制作しました。

良い表情を引き出すため、考えた作戦はガンガン話かけること。

商店街の人とやり取り
「すこしだけ!かわいく撮る」
「可愛くとる?本当?」

被写体との出会いは一期一会。ファインダー越しに輝く一瞬を逃さないようシャッターを切ります。

個性豊かな3人にチームの強みを聞くと・・

安里すずらさん
「それぞれ足りないところを補えるからバランスがとれているチームです」
金城花音さん
「強さがあるチームだと思います」
上江洲心音さん
「1人1人得意なことが違ってバランスが良いチームじゃないかと思っている」

ただひとつ優勝を目指し練習を積んできた3人。培った力をいよいよ本番にぶつけます。

写真甲子園本選では2つのテーマをもとに、2回の審査が行われ順位が決定します。
写真撮影・撮った写真のセレクト・印刷までを制限時間内に行うのが基本ルールで、作品に込めた思いをプレゼンテーションで伝えます。

ひとつ目の題名は「どっさりどさんこ」。北海道の人たちのユニークな表情をモノクロで表しました。ファイナル審査はガラッと雰囲気をかえてカラーで勝負!何気ないひと時を切り抜き、家庭の温かみを表現しています。

プレゼンテーションの様子
「北海道の人たちと過ごした時間の中には、愛情があり何気ないことも幸せに感じました。よろしくお願いします」

沖縄から遠く離れた北の大地で4日間の大舞台を戦い抜いた3人。果たして結果は。

「優秀校5校の発表です。5校目、九州沖縄ブロック代表・沖縄県立浦添工業高等学校の皆さんです」

優勝には届きませんでしたが見事『優秀賞』に選ばれました。

安里すずらさん
「いろんな視点があるなと実際に近くで見ることができて、これから自分たちがどう進んでいくかが、ちょっとわかったかなと思います」

金城花音さん
「緊張も最初はあったけどやっているうちに楽しくなっていって、自分らしく撮れたと思います」

上江洲心音さん
「心残りもあるが、いい写真が撮れて満足いく作品が作れたので、良かったと思います。来年は優勝を目指してもっとがんばりたいです」

この夏の青春を写真にかけた高校生たち。来年のリベンジを誓い、すでにたくましく歩みを進めていました。