スマホを手で持って操作したり、通話したりしながら運転する、「ながら運転」。
「ほんの一瞬」と思っても、重大な事故につながる可能性があります。
お盆の帰省の前に知っておきたい「ながら運転」の危険性を、交通事故に詳しい中島博史氏に聞きます。

増加する高速道路の‟他責事故”

今、「他責事故」が増加しています。
「他責事故」とは、交通規制をされているところや、作業している車両へ一般車両が進入・追突して起きる事故を指します。

NEXCO中日本提供の映像には、路肩での作業中、作業車に乗用車が接触する様子が。
すぐそばには作業員の姿が見え、とっさに逃げているのが分かります。
また、交通規制の看板に気づくのが遅れてあわてて隣の車線に割り込んだり、標識をなぎ倒したりする危険な映像も。
車線上に破片が散らばり、後続車を巻き込む事故になりかねません。

NEXCO東日本によると、2021年には年間で35件の他責事故があり、上半期では11件。2022年には上半期で25件、2023年には37件となっています。
2021年には2件の死亡事故も起きています。

他責事故の原因として
▼「運転支援機能」の過信
▼「ながら運転」

が考えられます。

交通事故に詳しい中島博史氏は、
「今普及している運転支援機能というのは、車だけでは車線変更してくれないものが多い」
と言います。

交通事故鑑定ラプター所長 中島博史氏:
あくまで「支援」なので、運転手が運転していてうっかりしてしまったとか、見落としたことをあくまでサポートするということなんです。それを「自動」という言葉で、「任せておける」みたいに思ってしまうと、予想外の状況があったときに対応できないということがあります。