“2人に1人以上が高齢者”の町で…
杉田医師の働く新潟県上越市牧区は、人口1535人。

736世帯のうち、高齢者の一人暮らしが169世帯で高齢者のみの世帯が160世帯という高齢化率54.5%の地区。新潟県の平均を大幅に上回っています。
この日、杉田医師が学生を連れて向かったのは近くの高齢者施設でした。
高齢化が進む上越市牧区では、通院が困難な病人のもとへ医師が出向いて診察や治療をする「訪問診療」が欠かせません。

【杉田佳織医師】
「お口の中、痛いところとかないですか?調子悪いところ」
患者の中には認知症などがあり、症状をうまく説明できない人もいます。
そのため、患者のしぐさや食事量の変化などの細かなことから具合の悪い場所を探し、施設の職員や家族らと相談しながら、一人一人に合った治療方法を見つけていくのです。

【杉田佳織医師】
「きょう反対側、こっちの入れ歯を同じように、ちょっと大きくさせてもらってもいいですかね?」
【患者】「こっちもね…」
【杉田佳織医師】
「痛いところをちょっと先に直しますかね」

患者の要望に耳を傾けながら治療を終えた杉田佳織さんは、次に“意外な場所”へ顔を出しました。
地域で開かれていたゲートボール大会です。