今年1月から6月までのフィッシングなどの手口によるインターネットバンキングでの不正送金の被害額がおよそ30億円に上ったことが、警察庁のまとめで分かりました。

警察庁によりますと、今年1月から6月までのインターネットバンキングでの不正送金の被害額はおよそ30億円に上り、上半期としては過去最悪となりました。被害件数は2322件で、年間で過去最多だった2014年の1876件を上半期だけで上回るペースとなっています。

被害の多くはフィッシングによる手口です。金融機関を装ったメールなどが送りつけられ、「不正な手続きがあり、口座を解約してください」などと利用者の不安をあおる内容と、偽のサイトに誘導するURLが載っていて、URLにアクセスするとIDなどの個人情報の入力が求められ、結果、その個人情報が盗み取られる仕組みです。

店舗を持たないインターネット専業の銀行などがターゲットにされていて、被害額は全体の64%にあたるおよそ19億9000万円となっています。

警察庁は、ネットバンキングの利用の広がりや偽メールが精巧になっていることが被害急増の背景にあるとみて、利用者に対し「メールが偽物かどうかの判別は難しくなっている。メールに記載されたURLからアクセスしたサイトには、個人情報を絶対に入力しないでほしい」と呼びかけています。