リニア中央新幹線の開通を前にした再整備のため、JR名古屋駅前のシンボルになっていたモニュメントの撤去作業が6日夜から始まりました。

6日午後11時過ぎ、小雨が降る中で始まったのは名古屋駅のシンボルとなっていたモニュメントの「飛翔」を撤去するための準備。
今後、本格的に撤去作業を進める際のスペースを確保するため、周辺の車線を引き直すのです。

高さ23メートル、直径は21メートル。今から33年前の1989年(平成元年)に名古屋市が市制100周年にあわせて約5億円をかけて建設した「飛翔」。

その年の7月、名古屋では「世界デザイン博覧会」が始まり、「飛翔」は「デザイン都市宣言」をした名古屋を象徴する、ソフトクリームのような個性あふれるモニュメントとして存在感を示し続けてきました。
(名古屋市 河村たかし市長:2015年)
「残念ながら、あそこにあっても水がかかるのも動いてないし、何なんだ?という感じですね。あの“グルグル巻き”が」
名古屋の河村市長は7年前の市議会で、リニア中央新幹線に関連した再開発の一環として「飛翔」撤去の方針を示したのです。
(名古屋市 河村たかし市長:2015年)
「大きい広場をつくりたい」

撤去後は、現在の駅前ロータリーも含めて大きな広場になります。
(2021年に開かれた見学会の参加者)
「普段、外側から見ていたものを中から見たら、全然違う眺めになって不思議な感じでした」

去年は「飛翔」解体を前に内部見学会も開かれ、徐々にお別れに向けての準備は進んできました。
(7日の街頭インタビュー)
「名古屋のシンボルみたいなところがあるので、風景が変わってしまうなと感じる」
「寂しい気もしますけど、リニアの関係なら仕方がないかな」
「ずーっと昔からあったのを覚えているので、ちょっと寂しい」
撤去工事は10月下旬まで行われる予定で、解体して名古屋市港区の市の土地に一時保管されるということです。

リニア開業を目指して日々変わりゆく名古屋駅前。これから、さらにどんな変貌をとげるのでしょうか。