かつてハンセン病の患者に不当な隔離を強いた「らい予防法」。今月22日の「被害者の名誉回復及び追悼の日」に合わせ、ハンセン病問題啓発の展示会が岡山市北区天神町のRSKイノベィティブ・メディアセンターで始まりました。

ハンセン病問題について理解を深めてもらおうと始まった展示会、「長島からの風」です。瀬戸内市にある国立療養所長島愛生園の入所者が中心となって制作した75点の作品が展示されています。

85歳になった今も油絵を描き続ける、山本一雄さんの作品です。国の誤った政策で行われた強制隔離…多くの入所者にとって、今も帰ることのできない「ふるさと」をイメージした一枚です。創作活動は、入所者にとって自分の生きた証を示す手段でもあり、厳しい差別・偏見にさらされる現実を忘れられる時間でもありました。

(長島愛生園入所者自治会・中尾伸治会長)
「ものを作るというそういう動作に入りましたら、それ一点になってしまいますので、忘れられる。(入所者は)癒されたんじゃないかなと思っております」

(長島愛生園・山本典良園長)
「世間が、見た目に分かるということで、作品でしか受け入れなかった。その作品の裏に『いろんな人の人生があった』ということを考えていただければ」

展示会「長島からの風」は26日までです。また、12日と25日には能楽堂ホールtenjin9で「ハンセン病問題関連ドキュメンタリー作品」の上映会も開催されます。