「旅行にしか見えない」との批判が上がっている自民党女性局のフランス研修。エッフェル塔の前で議員仲間とポーズをとる写真をSNSにアップした松川るい参院議員が「不適切と思っており、反省している」と謝罪しました。政治家のSNS投稿や写真撮影を巡って、国民感覚との“乖離”がたびたび問題化していて、与党幹部も苦言を呈しました。

松川議員が謝罪「発信が不適切」

パリの名所・エッフェル塔の前でポーズを決める自民党の3人の女性議員。フランス研修中の1コマとしてSNSにアップし、多くの批判を集めるこの人が8月1日…

自民 松川るい参院議員
「SNS上の発信については不適切なものがあったと思っていますし、多くの誤解を与えたことについて反省しています」

自民党女性局が7月下旬に実施したフランス研修。少子化対策や幼児教育などが主なテーマですが、松川氏や今井絵理子参院議員らは、観光名所や豪華な食事の様子などを自らSNSに次々アップしたことから、「まるで観光旅行」との批判が巻き起こりました。

30代
「遊びに行っているだけですよね」

研修を取り仕切った松川氏は、SNS投稿を謝罪した上で研修自体については…

自民 松川るい参院議員
「有意義な意見交換が出来たと思っています」

問題はなかったと弁明しましたが、news23の取材に参加した議員は…

参加した議員
「(SNSへの不適切な投稿に)みんな怒ってますよ、女性局の。女性議員として(しっかり)やっていかなきゃいけないと思って来ている人ばっかりだったので、残念だと思います」

党内外からの批判の広がりを受けて、自民党は松川氏を注意しました。

政治家のSNS投稿や写真撮影をめぐる国民感覚との“乖離”はたびたび問題化していて、与党内からも苦言が…

公明 山口那津男代表
「それがどのような受け止められ方をするかということはしっかり見通した上で、責任を持って対応すべきだと思います」

公明党の山口代表は、岸田総理の秘書官を務めた長男の翔太郎氏が総理公邸で不適切な写真を撮影した事例を挙げて、「しっかり教訓として刻んで、対応していくことが大切だ」と指摘しました。

一方、自民党幹部は世論の反発の高まりを強く意識し、税金が元となる「政党交付金」は使用していないことを盛んに強調します。

SNS投稿が浮き彫りにした政治家と国民の「意識の乖離」。その溝が埋まる日は来るのでしょうか。

小川彩佳キャスター:
宮田さんはこのニュースどう受け止めていらっしゃいますか?

データサイエンティスト 慶応大学医学部 宮田裕章教授:
政治家が普段地元に帰って、こういう写真を撮る場合には、地元アピールとして喜ばれる傾向があるんですけども、今回は全く違うんですよね。
コロナ禍以降、海外旅行のコストが非常に高くなって、そして円安も重なっていて、海外に行くこと自体のハードルが上がっている。
そうした中で、海外に本当に行くべきなのかっていうのは、あらゆる業界において問われている部分なんです。
そういった厳しい目がある中で、国民的な目線と乖離してしまったっていう事なのかなと思います。