ロシアのプーチン大統領は、ロシアがウクライナ産穀物の輸出合意から離脱したことで食糧供給への懸念を深めるアフリカ諸国に対し、「穀物を提供する用意がある」と表明しました。

ロシア プーチン大統領
「わが国はウクライナ産の穀物を商業的にも無償援助という形でも代替できる」

プーチン大統領は27日、アフリカ各国の首脳らが参加する国際会議でこのように述べ、マリや中央アフリカなど6か国に対し、今後3~4か月の間に穀物を無償提供する用意があると表明しました。穀物合意からの離脱については、「西側がロシア産穀物の輸出を妨害した」と主張。食糧危機への懸念が高まる中、アフリカ各国の取り込みを図るとともに欧米側に揺さぶりをかける狙いがあるとみられます。

また、プーチン氏はウクライナ軍が南部ザポリージャ州を中心に反転攻勢を激化させているとしたうえで、「すべての攻撃を撃退し、大きな損害を与えた」と主張しました。

一方、ロシアの有力紙コメルサントなどは27日、反乱を起こした民間軍事会社「ワグネル」の創設者・プリゴジン氏が、国際会議が行われているサンクトペテルブルクでアフリカの高官とみられる人物と握手する写真を報じました。

写真はプリゴジン氏と近い関係者がSNSに投稿したものとされ、プリゴジン氏は「マリ、中央アフリカ、ニジェールの代表と会談を行った」としています。

ワグネルは部隊を再び中央アフリカに送るなどしていますが、プリゴジン氏が反乱後も一定の影響力を保持している可能性があります。