川の危険【錯覚で浅く見える】

また、川は「浅く見える錯覚」が起こりやすいとされています。
水面から川底を見たときに、実際より浅く見えてしまう現象です。

スタジオで実験してみました。
2つの容器に石を入れ、片方にペットボトルで水を入れていくと、水を入れたほうだけ底の石が見えてきます。
つまり深さは一緒なのに、底にあるものが「見える」ことで、実際より浅いと思ってしまうのです。

恵俊彰:
人間の目っていうのは、見えてるから安心しちゃうんですけれど、逆に錯覚もあると。

深いところに、知らず知らずのうちに立ち入ってしまう危険があるのが川の特徴なのです。

川の危険【足元が不安定】

川の中央に立つ飯田リポーター。

飯田麻菜美リポーター:
ちょうどおへその上の辺り、胸の下あたりまで、深さがあります。
ここから戻っていきます。やっぱ戻るのにもかなり足がとられますね。力が入ります。

水中を撮影したカメラで見てみると、足が砂に埋まっていくのがわかります。
足がとられた場所の川底には、細かい砂利と大きな石が混ざり合っていました。

さらに、川底で気をつけなければいけないものが、「コケ」。
川底にある石などに付着している恐れがあり、転倒し流されてしまう危険性があります。

川の危険【浅瀬でも危険な“循環流”】

岸と、川の本流の間の浅瀬にも“循環流”という危険が隠れています。
円を描くように流れるもので、浅いところにいたとしても循環量に巻き込まれてしまうと、本流側に流されてしまうこともあるのです。

恵俊彰:
海だと離岸流ってあるじゃないですか。循環流というのは川にあるんですか?

日本水難救済会理事長 遠山純司氏:
似たようなものですね。岸から沖に向かっての流れがある。
表面の水泡や、あるいは落ち葉があれば注意してみると、循環流も見てわかることはあります。あぶくが出ていると分かりやすいです。くぼんだ所で渦を巻いているのが分かります。
だから川に入る前に、水の状況をまず確認するということです。
また、一般的に屈曲部(川が曲がっているところ)の深いところは、流れが速くなっていますので、頭に入れておく必要がありますね。

川の危険【晴れていても増水に注意】

晴れていても安全ということはありません。
遊んでいる下流が晴れていたとしても、上流は山の上なので、天気は変わりやすく雨が降っている可能性があります。いつの間にか水が増水するおそれもあるので、今の天気だけで考えてはいけないというのも大事なポイントです。

日本水難救済会理事長 遠山純司氏:
これから台風や集中豪雨の時期ですね。特に中州にテントをはる人は、本当に天気予報をしっかり見ていないと、そこが晴れているからといって安全ではないということです。

水の事故に遭わないために

遠山氏に、水の事故に遭わないための方法を聞きました。

▼天気・場所の確認
▼1人では行かない(大人と一緒に行動)
▼どこに行くのか、何時に帰るのか、事前に連絡する
▼一番有効なのはライフジャケットの着用

日本水難救済会理事長 遠山純司氏:
事故が起こる前の備え、一番有効なのはやはりライフジャケットです。

万が一の時には…‟イカ泳ぎ”

万が一流されてしまった場合、遠山氏が勧めるのが“イカ泳ぎ”です。

背面で浮き、両手両足を一緒に動かし頭の方に進みます。
手は水面から上げず、足は平泳ぎのように動かし、まさに“イカ”のような動きをしてください。顔は水面に浮くので呼吸しながら泳ぐことが可能になるということです。

日本水難救済会理事長 遠山純司氏:
いわゆるカエル泳ぎ(平泳ぎ)をひっくり返した形です。
非常に簡単に、しかも体力を奪われずに浮いていることができます。

恵俊彰:
何よりもライフジャケット、そして川を知る。
ちゃんと自分の中で学習してから遊びに行くということですね。

(ひるおび 2023年7月25日放送より)