■世界水泳選手権 ハイダイビング(25日・シーサイドももち海浜公園)
高さ27mから飛び込むハイダイビングでは男子の前半が行われ、荒田恭兵(27・高岡スイミングクラブ)が初の世界選手権に挑んだ。
PayPayドームのすぐ隣、シーサイドももち海浜公園に特設された会場で行われているハイダイビング。高さ27mの台から水中に飛び込む競技で、その高さは7階建てビルに匹敵する。入水までのわずか3秒間に繰り出される技の難度や出来栄えで争われる。日本からは唯一、荒田恭兵が出場。2013年から世界選手権に採用されたが、日本人の出場は今大会が初となった。
4本の演技の合計で争われるハイダイビング、荒田は1本目の302Eで33.60点の21位につけると、2本目の5461B(ひねり技)で102.00点をマーク。順位は1つ落としたが、「今までの自分の中で一番完成度が高い出来だった」と納得の表情をみせた。
日本では実施も初となるハイダイビング。この日は約500人が観戦に訪れた。競技の魅力について荒田は「景色が綺麗なところでやることが多く、その景色と絶技を組み合わせた非日常な部分に興奮できる」と表現。また競技者としても「27mから飛ぶのはいまだに怖いが、自分の恐怖心を乗り越えて成功した瞬間の爽快感で”生きている”と感じられる」と話した。日本唯一のハイダイバーとしてTBS系列『クレイジージャーニー』にも出演した荒田。限られた練習場所を確保するために国内のあらゆる崖を探して練習を行っている。演技後のインタビューでは、"ホーム崖"が福井県の東尋坊であることを明かし、報道陣を驚かせていた。
荒田は27日に行われる後半に出場し、残りの演技に挑戦する。
■荒田恭兵(あらた きょうへい)
1996年3月9日生まれ、27歳。身長174.5cm、体重70kg。趣味は崖探し、サウナなど。小学4年から大学4年まで飛込競技に打ち込み、2017年日本選手権ではシンクロ高飛込で優勝。その後「誰もやったことがないことをやりたい」という気持ちからハイダイビングに転向した。海外の大会に出場しつつ、国内ではあらゆる崖を探して練習している。”ホーム崖”は福井県にある「東尋坊」。