札幌市の繁華街ススキノのホテルで、62歳の男性が殺害され、首を切断された状態で見つかった事件…29歳の女と医師の父親に続き、25日朝、60歳の母親も死体損壊などの疑いで逮捕されました。また、事件前、父娘２人でノコギリとスーツケースを購入していたとみられることがわかりました。

　25日朝、新たに死体損壊、死体領得、死体遺棄の疑いで、札幌市厚別区のパート従業員、田村浩子（ひろこ）容疑者が逮捕されました。

　田村容疑者は、すでに24日午前、逮捕されている田村瑠奈（るな）容疑者29歳の母親で、これで瑠奈容疑者の父親で、医師の修（おさむ）容疑者59歳と合わせて、同居の親子３人が全員、同じ容疑で逮捕されたことになります。

警察車両で移送される田村浩子容疑者（25日午前、札幌中央警察署）

　３人は共謀し、１日深夜から２日未明にかけて、札幌市のススキノにあるホテルで、恵庭市の62歳の会社員の男性の首を刃物のような凶器で切断した上、頭部を持ち去るなどした疑いが持たれています。

田村修容疑者（本人のものとみられるフェイスブックより）

　まず24日午前の瑠奈容疑者と修容疑者の逮捕後、自宅の家宅捜索で見つかった人の頭部が、殺害された後、首を切断された男性のものと判明したため、事情を知っているとみられる浩子容疑者も逮捕されました。

　頭部は一部、腐敗がすすんでいましたが、歯形で男性と判明したということです。

瑠奈容疑者と修容疑者が２人でノコギリなどを購入した小売店

　さらに、捜査関係者によりますと、事件前、田村瑠奈容疑者と修容疑者の２人が自宅から近い小売店で、ノコギリとスーツケースを購入していたとみられることも新たにわかりました。

現場は、札幌市のススキノのホテル２階の客室

　事件は２日午後、札幌市のススキノのホテル２階の客室の浴室で、頭部がない全裸状態の男性の遺体が見つかり、発覚。

　男性は司法解剖の結果、体に刃物で刺された致命傷があり、死因は出血性ショック、殺害された後に首を切断されていました。

防犯カメラで確認された瑠奈容疑者とみられる人物の服装

　捜査本部によりますと、遺体発見の前日、男性と同行する人物が２人で現場の客室に入った後、入室時とは違う服装の人物が１人でホテルを出て、大きなスーツケースを引きながら歩く姿などが防犯カメラで確認されていました。

現場のホテル客室

　この人物は田村瑠奈容疑者で、父親の修容疑者は現場のホテルに入らず、車で瑠奈容疑者を送り迎えするなどしたとみられています。

スーツケースとみられる押収物を運び出す捜査員（24日午前）

　捜査本部は、捜査に支障があるとして、３人の容疑についての認否を明らかにせず、引き続き男性を殺害した疑いも視野に調べをすすめる方針です。